2010年6月14日月曜日

雌犬の発情

発情期への対処
いつごろから発情するの?
雌犬の発情は、犬種によって多少異なりますが、およそ7~8カ月から始まります。雌犬の
発情は年に2回。発情の長さは犬によってかなり異なります。発情は出血があるので、すぐに
分かりますが、犬によっては出血の量が少なく、自分でなめてしまうので、気づかないケース
もあります。しかしよく観察すると、外陰部がいつもよりふくれていて大きくなっているので
見分けられるでしょう。交配を希望している人は、発情期の出血があってから12~13日目
が適期です。でも最初の出血を見逃す飼い主は少なくありません。出血のきざしがあったら、
先生に相談するとよいでしょう。ちなみに雄犬の発情期はありません。

避妊・去勢手術はかわいそう?
あどけないしぐさの子犬たちも、身体の成長に伴い、やがて性の成熟が訪れます。そして同時
に発情・生殖行動といった性行動も、当然みられるようになります。しかし、飼い主であるあ
なた自身が子犬を育てる意思がない、あるいは住宅や家庭、その他の事情などで育てられない
のであれば、去勢・避妊について考えてみてください。
「手術がかわいそう」とためらう人もいますが、去勢・避妊は望まぬ子犬を増やさないという
目的以外に、病気の予防や行動・性格面でプラスとなる効果もあります。
方法や時期などは、動物病院で獣医師と十分に相談してください。
去勢によるオス犬の健康面や行動・性格面での効果
● 前立腺の病気や精巣・肛門周辺の腫瘍、会陰ヘルニアの予防になる。
● 攻撃性の低下、性格が穏やかになり、しつけもしやすくなる。
● 尿のマーキングが減る

避妊によるメス犬の健康面や行動・性格面での効果
● 望まない妊娠を防ぐことができる。
● 乳腺腫瘍や子宮・卵巣の病気(子宮蓄膿症、卵巣腫瘍など)の予防になる。
● 発情の煩わしさが解消される(発情時の出血、雄犬が近寄ってこなくなる)など。

避妊・去勢手術をした後の注意点
避妊・去勢手術には様々なメリットがありますが、手術後にはホルモンバランスの変化により
太りやすくなることがありますので、注意してあげましょう。

2010年6月13日日曜日

危険な感染症

犬にとって危険な感染症がたくさんあります。
子犬は様々な伝染病に対する免疫を母乳から得ています。でもこの免疫力は時間とともに低下しますので、伝染病予防のためのワクチン接種が必要です。子犬の社会化には生後3~12週齢が
もっとも大切です。社会化に大切な時期以降のワクチン接種では、はじめて外に出したときに、すでに臆病な性格が形成されてしまっている子犬もいます。現在のワクチンの接種時期は、4~15週齢とされています。先生とよく相談し、健康状態をチェックしてもらったうえで、早めにワクチン接種をし、安心して外の世界に連れ出せるようにしてあげたいものです。

ワクチンのある病気
★犬パルボウイルス感染症
 激しい下痢、嘔吐を起こし、食欲がなくなり衰弱していきます(腸炎型)。
 また、子犬に対して突然死を起こすこともあります(心筋炎型)。感染犬の便中には大量の
 ウイルスが排出され感染源となります。伝染力が強く、犬ジステンパーと並んで子犬にとっ
 て死亡率の高い恐ろしい伝染病です。
★ 犬ジステンパー
犬ジステンパーウイルスの感染によって発病します。このウイルスは感染犬の鼻水、目や
に、尿などに含まれます。症状は、発熱、下痢、鼻炎、結膜炎、呼吸器及び消化器障害を
示し、神経症状を起こすこともあります。犬パルボウイルス感染症と同様に、特に子犬で
は死亡率の高い伝染病として恐れられています。
★ 犬コロナウイルス感染症
犬コロナウイルスによる伝染病で腸炎を引き起こします。子犬の場合の症状は嘔吐と中~
重度の水様性下痢を引き起こします。パルボウイルスやジステンパーウイルスと混合感染
すると症状が重篤になるので注意が必要です。
★ 犬パラインフルエンザウイルス感染症
犬パラインフルエンザウイルスは、(ケンネルコフ:犬の呼吸器症候群)の原因の1つです
咳、鼻水などの呼吸器症状(風邪症状)を示します。感染犬は咳などでウイルスをまきち
らします。感染犬は咳などでウイルスをまきちらします。混合感染や二次感染を起こすと
重篤になります。
★ 犬伝染性喉頭気管炎(犬アデノウイルス2型感染症)
犬アデノウイルス2型は犬パラインフルエンザウイルスと同様に(ケンネルコフ:犬の呼
吸器症候群)の原因の1つで、咳を主な症状とする呼吸器系疾患を起こします。特に、他
のウイルスや細菌と混合感染することにより症状が重篤になります。
★ 犬伝染性肝炎
犬伝染性喉頭気管炎と同様に犬アデノウイルス1型の感染によります。感染犬の便、尿、
唾液などから経口感染します。下痢、嘔吐、食欲不振などを示し肝炎を起こします。
★ 犬レプトスピラ病
レプトスピラという細菌が原因の伝染病で、感染動物の尿中に細菌が排出され環境を汚染
し感染源となります。症状は尿毒症、腎炎などを起こす場合(イクテロヘモラジー型)が
あります。人にも感染する人畜共通感染症の1つです。